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在宅介護と介護施設、どちらが最適? 実際の費用とメリット・デメリットを比較! ~ライクケアの現場スタッフからのアドバイスをご紹介~
少子高齢化が進む日本では、介護施設や介護職員の不足が深刻な課題となっています。厚生労働省の発表*¹によると、2026年までに約25万人、2040年度までには約57万人の介護職員が必要とされており、厚生労働省を主導に多くの自治体が在宅介護への支援強化を進めています。
一方で、「自宅での介護」と「介護施設での介護」、どちらを選ぶべきかは、費用面だけでなく、家族の負担や本人の生活の質にも大きく影響します。本記事では、実際の費用データやそれぞれのメリット・デメリットをわかりやすく比較し、最適な選択をするためのポイントをご紹介します。
【2025年団塊の世代が後期高齢者に!人材不足に対する国の解決策とは?】
厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制「地域包括ケアシステム*² 」の構築の実現を提唱しています。
*¹:厚生労働省、第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
*²:厚生労働省、地域包括ケアシステム
□具体的な取組の事例
①定期的な訪問診療等の実施
②急変時の診療・一時的な入院の受け入れの実施
③医療機関と連携し、服薬管理や点滴・褥瘡処置等の医療処置、看取りケアの実施等
④入浴、排せつ、食事等の管理、リハビリステーション、在宅復帰、在宅療養支援等の実施
⑤50自治体の取組や実施上の工夫について、事例集はこちらからご確認ください
【在宅介護と介護施設の入居はどちらが経済的?費用を比較!】
■介護を行った場所別介護費用(月額)
生命保険文化センターの「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査*³」によると、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改造や介護用ベッドの購入費など一時的な費用の合計は平均47万円、月々の費用が平均9.0万円であることが判明しました。そのうち、介護を行った場所別の月々の費用は、在宅では平均5.3万円、施設では平均13.8万円となっています。
*³:生命保険文化センター、2024(令和6)年度「生命保険に関する全国実態調査」
施設と自宅で介護をした場合の月々にかかる費用を比較した結果から分かるように、在宅介護のほうが費用は大幅に抑えられることが分かります。
しかし、介護における負担は金銭的なものだけではありません。厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況*⁴」より、要介護支援のレベルが高くなるにつれて介護に要する時間が長くなっており、要介護レベル3(食事や着替えだけでなく、排泄、歯磨きなどの日常動作で介助を必要とする状態)以上になると、50%以上の人が半日以上を介護時間に費やしていることが判明しました。24時間365日体制で介護をする家族にとって、在宅介護による作業や時間的な負担はかなり大きいことが分かります。
■要介護度別にみた「同居の主な介護者」の介護時間の構成割合
*⁴:厚生労働省、国民生活基礎調査の概況
【在宅介護と介護施設それぞれのメリットとデメリットは?】
■在宅介護のメリット&デメリット
メリット
・本人が環境を変えることなく、住み慣れた自宅で精神的な安定を持って介護が受けられる
・介護サービスの利用頻度や種類を、本人の希望や状況に応じて、比較的自由に調整することができる
・本人のそばにいてあげることができる
・主治医に継続してみてもらうことができる
デメリット
・最初は意欲的に取り組めても、何年も介護しているうちに、精神的にも肉体的にも疲労が蓄積していく
・介護が原因で病気になったり、うつ病を発症したりする例もある
・介護のために仕事を辞めざるを得なくなる介護離職や、献身的な介護の末燃え尽き症候群になるケースもある
・睡眠不足など、介護者の健康面に影響を及ぼす可能性がある
・介護者の不在に時に何か起こってもすぐに対応ができない
■介護施設のメリット&デメリット
メリット
・専門家による介護が24時間体制で受けられるため、痰吸引や経管栄養などの医療的な処置、寝たきりの場合の体位変換など、在宅介護では困難なことでも安心して任せられる
・認知症による徘徊などがある場合、夜間でも目が届く施設介護であれば安心できる
・専門家による適切なケアを常時受けられる
デメリット
・在宅介護よりも費用の負担が大きい
・施設になじめず住み替えや対処をする可能性がある
【ライクケアの現場スタッフより、在宅介護と介護施設の入居どちらの選択を取るべきかポイントを解説】
□選択する際に見るべき4つのポイント
1.どのように暮らしたいかは、ご本人の意向を尊重することが大切です。
2.在宅介護を続けられる環境が整っているか、ご家族や在宅の介護保険サービスがどの程度関われるかを確認しましょう。地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談すると、丁寧に説明を受けることができます。
3.認知症の症状によって生活に支障が出ている場合や、医療的ケアが必要な場合は、専門的な支援を受けやすい施設への入居が適していることが多くあります。
4.在宅介護と施設入居、それぞれの費用を試算し、長期的な視点で判断することが重要です。介護施設にはさまざまな価格帯がありますので、事前に調べておくことをお勧めします。